清泉小だより

校長だより~すべてのことにありがとうを~

皆さん、おはようございます。

昨日は大寒でした。1年の中で最も寒さが厳しい頃を意味しています。寒さに負けず元気に過ごしたいものです。

特別宗教に参加している4年生・5年生と音楽科の先生が作ってくださった、聖ラファエラ・マリア様の歌『あなたの心を生きます』はとても素敵な歌ですね。素晴らしい曲を作っていただきありがとうございました。

どの教室の朝礼に出ても、みんなが心を込めて歌っている様子が見られます。そして今日の講堂朝礼でもお互いの歌を聴きながら、全校で歌詞を響かせることができました。

歌詞の中に「すべてのことにありがとうと伝えることができますように」とありますが「すべてのこと」とは何でしょうか。

自分に良いことをもたらしてくれてありがとうございます、ばかりではないと思います。すべてが楽しいこと、すべてが嬉しいことではなく、自分にとって苦い経験があった時もありがとうございます、失敗したことを指摘されたときもそれに気づかせてくださってありがとうございます、ということも含まれるでしょう。

先日授業中、先生が「ここがこんなふうにちがっていますよ」と言ったら、その方は一瞬顔がくもって残念そうな様子だったのですが、「ありがとうございます」と言って机に戻っていきました。「ありがとうございます」と言われて先生は、なんて心が柔らかいのでしょうと思いました。


また時に、思うようにいかないこともその瞬間は感謝の言葉は出ないかもしれませんが、しばらく経って振り返ったときにあの経験は自分にとって宝物になった、と感謝することもあります。私たちは弱い人間です。聖ラファエラ・マリア様のように、すべてのことにありがとうと伝えられますように、と祈りながら歌いたいと思います。謙虚に受けとめられる柔和な心を持ちたいものです。

聖ラファエラ・マリア様の帰天100年を記念して作られたこの曲を、これからも大事に歌ってまいりましょう。

1年生の様子

3学期が始まり、1週間ほど経ちました。3学期、1年生は2年生になるための準備の時間です。

 

2学期末には、中庭の花壇に1年生のためにチューリップの球根を植えました。2本の溝を目印に、スコップを使って穴をあけて、球根から芽が出やすいように丁寧に植えました。新1年生のよろこぶ顔を思い浮かべながら、土をかけていきました。学年全体で、合わせて100個の球根を植えました。

 今の2年生が植えてくださったように、ご恩送りの伝統を守っていきます。

また、3学期が始まってすぐ、「1年生を終えるための決心」を書きました。①学習、②生活、③心(お友だちを大切に)という3つの観点で、この3月までに達成したい自分のための目標を考えました。

一人ひとりが自分自身と向き合い、自信をもって成長していくことができますように。

始業式

皆さん、明けましておめでとうございます。

2025年になりました。新しい気持ちで新年を迎えて、それぞれが新たな決心を胸に、校門をくぐったことでしょう。手を広げたイエス様も、皆さんを喜んで迎えてくださっていました。

たくさんの方から、年賀状をいただきました。ありがとうございました。へび年にちなんだ絵が上手に描いてあったり、版画でデザインされていたり、写真があったり、メッセージが添えられていたりして、嬉しく1枚1枚拝見しました。メッセージには、「2025年をこんなふうに過ごしたいです」という決心が多く書かれていましたので、一部ですが紹介します。

まずは6年生の決心です。
「小学校生活最後の年です。充実した学校生活を過ごしたいです。」
「清泉小学校での生活も残すところわずかなので1日1日を大切にします。」すばらしい決心ですね。

5年生は、
「6年生0学期になるので、下級生のお手本になれるようにがんばります。」
「算数の計算が速くなるようにたくさん練習します。」もうすぐ6年生です。5 年生の意気込みを感じました。

4年生は、
「英語検定と漢字検定が受かるようにこつこつ勉強します。」
「ドッジボールで強い人のボールをとれるようになりたいです。次の大繩大会でみんなの力を合わせたいです。」がんばってください。応援しています。

3年生は、
「高学年になるので行事もいっぱいがんばりたいです。」

「できないことにチャレンジする、何事にもあきらめないで最後までがんばることです。」 自分と向き合ってのしっかりとした決心です。

2年生は、
「てつぼうをがんばりたいです。」
「お友だちを大切にどんなことにもちょうせんする1年にしたいです。」すばらしい決心ですね。

1年生は、
「やさしいことばをおくることを、がんばります。」
「これからもおべんきょう、がんばります。」      「ことしもたのしみます。」年の初めによく考えた決心です。

皆さんのことをいつも見守っています。これからの成長がとっても楽しみです。

3学期は締めくくりの学期です。そして次の学年への準備学期です。
3学期は学校に来る日が何日あるか、というと、1・2・3・6年生は47日、4・5年生は48日です。あっという間に過ぎてしまいそうなほど短いですね。

3学期は特に2つの気持ちを大事にしていきたいものです。

1.感謝の気持ちを持って。

「ありがとうございます」の言葉をクラスのお友だち、先生、おうちの方、周りの方々に伝えてまいりましょう。そして使った教室、机やいすにも感謝しながら過ごしましょう。

2.一つひとつに心を込めて。

当たり前のこと、例えば下駄箱に靴をしまう、次の授業の準備をする、あいさつなども意識してていねいに行うことを心がけましょう。

1年間の総まとめの学期の3学期が、より良い学期となりますように先生方も皆で応援していきます。

1月6日は、聖ラファエラ・マリア様がお亡くなりになられた日でした。ラファエラ様が帰天されてから100年が経ちました。世界の聖心侍女修道会、そして清泉ファミリーの皆様と共に、この1年間を「聖ラファエラ・マリア年」としてお祝いしてきました。

困難にあっても祈りのうちにイエス様と共におられ、目立たない所でも微笑みを忘れず、謙遜で柔和な方だった聖ラファエラ・マリア様に倣って、これからもお友だちを大切に、誠実に、過ごしてまいりましょう。

良い3学期になりますように。

クリスマスの集い

 

12月12日、クリスマスの集いが行われました。集いまでの3週間、イエス様のご降誕をあたたかな心で迎えられるよう、各学年で目標を決めクリスマスの実行を行いました。

今年のテーマは「喜びを分かち合い、平和を祈るクリスマス」とし、4年生は集い当日に向けて様々な準備を行いました。

大道具グループは、劇の台本を読み、それに合った様々な背景を考えて作りました。背景のほかに、博士の家のバルコニーや望遠鏡、捧げ物、光る星なども作りました。当日は、背景や大道具の出し入れも、黒子となり自分たちで行いました。

今回の集いでは、東方の三博士と羊飼いが、星や天使に導かれて馬小屋へと向かう様子を描いた劇を上演しました。登場人物の出身地や身分、年齢や性別は異なりましたが、皆がイエス様のご誕生を心待ちにしていたということを、劇を通して伝えました。

劇グループは、当日の集いに向けて舞台上での動きや踊りの振付けなどを自分たちで考え、練習を重ねました。当日は、司会進行はもちろん、劇中の聖歌隊やピアノ、バイオリンによるバックミュージック、入退場のハンドベル演奏まで、全て4年生が行いました。

また、事前グループでは、イエス様の誕生を楽しみに待つこの期間を温かい雰囲気で過ごせるよう、絵本の読み聞かせやクリスマスの曲の紹介の放送、クリスマスのかざり作り、アドベントカレンダー作りなど、様々な準備や活動を行いました。

校長だより~まわりの人を幸せにすること、それがほんとうの愛~

今日で、1年で1番長い学期、2学期が終わります。
2学期の始業式で、皆さんに「2学期が終わるときに、こんなことを乗り越えました、実行できました、力が発揮できました、ということをお話しできるように、よい2学期にしていきましょう。お友だちとの絆を深めま しょう。」とお話をしました。今振り返ってみていかがでしょうか。いろんなことがありましたね。9月とはちがう皆さんがここにいます。心も体も成長しました。

1年生は合宿が初めてでしたね。お友だちといっしょにどきどきわくわくしながら、長い時間を過ごしたのは楽しかったことでしょう。2年生は、お世話をしているハニー君のお誕生日会に、私も参加させていただきました。みんなの温かい気持ちを感じたハニー君は嬉しそうにしていましたね。


3年生は鎌倉調べが本格化し見学先でほんものに触れて、鎌倉のことを深く堀りさげていました。3学期の総合発表に期待しています。4年生が主催したクリスマスの集いでは、一人ひとりが輝いていて、お役をしっかり果たしていました。そして皆さんの心が1つになった時のあの最後の歌声に、心が震えました。ありがとうございました。


5年生は、山の学校が大きな行事でした。自分のことは自分でやり遂げる、お友だちと心を合わせれば、楽しい時を過ごせてすばらしい思い出となることを実感したことでしょう。6年生は、ハンガーバンケットが貴重な体験であったことでしょう。世界のもうひとりのお友だちのことを考えるよい体験でした。どうしたら困っている方々に寄り添うことができるか、みんなで考え合ったことを、忘れないでくださいね。

そしてどの学年も、秋の集いは、心の中にしっかり残ったことでしょう。おうちの方の声援を受け、自分の力を最大限出し切りました。皆さんの姿は、見ている人たちの心を動かしました。すてきな秋の1日でした。このように2学期を振り返ってみると、達成感でいっぱいの人が多いことでしょう。よくがんばりました。
さて、聖ラファエラ・マリア年を過ごすのもあと少しとなりました。2025年1月6日が、聖ラファエラ・マリア様が、神さまのもとに召されて100年となります。私たちは今、「まわりの人を幸せにすること、それがほんとうの愛」 という聖ラファエラ・マリア様の言葉もかみしめながら、温かい心を渡し、お友だちを大切に過ごしています。目立たない所でも微笑みを忘れず、謙遜で柔軟な方だった聖ラファエラ・マリア 様のことを思い起こしながら、冬休みも過ごしてまいりましょう。

おうちでは、どんなことでお役に立てるでしょうか。自分の身の回りの整理整頓やお掃除はもちろん、お食事の準備や片付けなどのお手伝い、また久しぶりに会う親戚の方々に明るいご挨拶ができるといいですね。皆さんの笑顔と実行が周りの方々を幸せにします。そして帰天100年を迎える1月6日には、聖ラファエラ・マリア様のことを思い起こし、これか らも私たちを見守っていただけますように、お祈りいたしましょう。
冬休みは、クリスマス、お正月、とお楽しみもあります。生活リズムを崩さないようにしながら、よいお休みにしてください。お祈りしています。2025年1月8日に元気にお会いしましょう。

校長だより~与える愛、気づく愛~

今日は12月10日です。来週の19日が終業式ですので、2学期も残りわずかとなりました。木曜日は「クリスマスの集い」です。4年生、どうぞよろしくお願いいたします。

昨日、クリスマスに向けてシスター堂平からの放送がありましたが、すべての人のためにお生まれになったイエス様のことを想い、自分はどのようにしたら周りの方や世界のもう一人のお友だちのために、温かさを分けて差し上げられるかを考えて過ごすことが大切です。神様に感謝し、お祈りを大切に、イエス様がお生まれになる心の準備を進めてまいりましょう。

先日、鈴木先生が私のところにいらして、

「出張先の集まりで、近くの学校の教頭先生から、清泉小学校の子ども達はすごいですね、と言われました。」とおっしゃったので、どんなことですか、と聞きましたら、
「朝、横須賀線の車内で、清泉小学校の子ども達が座っていると、途中の駅で一斉にさーっと立ち上がって席を譲るんです。それがいつも自然に実行されていて、びっくりするのです。すばらしいです。」と、その方がお話をされたということでした。

こんなふうに自分は車内で実践している、というお友だちはいますか。

車内に私が皆さんといるときは、席が空いていても座らずに立っている人が多いですが、お話をいただいたようにさっと立ち上がる場面も見ていました。どちらにしても皆さんは周りの方を大事にしながら動けているのです。私も内心すばらしいと思っていましたが、このように他校の先生もご覧になって感心していただけたことは、ありがたいことです。皆さんは、当たり前に実践しているかもしれませんね。

車内には、様々な方がいらっしゃいます。このようにできるということは、まさに「お友だちを大切に」を実践していることです。

乗客の中で見て分かる方、・・例えば、松葉杖をついていらっしゃる方、赤いヘルプマークを鞄につけていらっしゃる方、白杖をお持ちの視覚に障がいをお持ちの方、ご高齢の方などには、助けて差し上げようと即動けますね。しかしながら、車内には目に見えないことを抱えていらっしゃる方もおられます。例えば、夜勤明けの方、体調不良の方、病気で苦しまれていて通院途中の方などがそうでしょう。皆さんは、「どうぞ」という気持ちで、席を譲って、温かさをさりげなく差し伸べていることになります。乗客の方々も「お友だちを大切に」のお友だち、つまりイエス様が大事にされているお一人おひとりです。一人ひとりの中にイエス様はいらっしゃいます。

また、実行を重ねながら、お友だちの良いところを見つけているお友だちもいます。6年生と私は今面接をしていますが、クラスのお友だちの良さにたくさん気づいています。例えば、「周りのみんなに愛があって優しい」「一人ぼっちを放っておけないクラスの雰囲気がある」「いつも励ましてくれる友がいる」「悩んでいると声をかけてくれる」「悲しんでいると笑顔にしてくれる」などと、多くの6年生が嬉しそうにお話ししてくれます。お友だちからいただく愛に気づいて、そのことに感謝する6年生も、すてきだなと思っています。

周りの方に愛を与えること、そして周りの方からいただく愛に感謝すること、これこそ、「互いに愛し合いなさい」とおっしゃったイエス様の言葉そのものですね。

清泉で大事にしているこの「愛」を大事にしてまいりましょう。そして皆で良いクリスマスを迎えましょう。

ハンガーバンケット

11月8日(金)、6年生はハンガーバンケットを行いました。ハンガーバンケットとは『飢えの宴会』という意味です。講堂でシスターのお話をお聞きした後、体育館に移動し、くじを引いて3つの世界に分かれました。

第1世界(高所得者層)は、日本のように裕福な国です。6年生108人中、たった18人しかいないこの世界の食卓には、ハンバーガー、ポテト、フライドチキン、ゼリーなどたくさんの食べ物がのっていて、それを好きなだけ、何回でもお代わりして頂くことが出来ます。座る席もきれいに整えられ、すてきなテーブルセッティングもされています。

第2世界(中所得者層)は30人ほどです。列に並んで、1本の麦茶パックと塩おにぎりを1個頂きます。しかし、簡単なテーブルといすがあります。

学年の半数以上は第3世界(低所得者層)の住人です。長い列に並び、頂けるものはコップ1杯の水と食パン4分の1枚。テーブルやいすはありません。もし、水をこぼしてしまっても、もうお代わりはありません。

教室に戻っての分かち合いでは、「第2や第3世界の友達からの視線が厳しくて、本当に食べにくくて困った。本当の世界では、日本はどんなふうに思われているのだろう。」「第1世界がうらやましくて仕方がなかった。実際の世界でもそうだと思う。」「何だか気持ちがむしゃくしゃして、何かにあたりたくなった。」という意見まで出たりして、自分の世界だけでなく、他の世界の人の気持ちまで共有しました。

 

ハンガーバンケットはたった1日、たった1食の経験でしたが、子ども達にとって大きな学びになったと思います。校長先生の最後のお話にもあったように、今まで意識していなかったことに気付いた人、自分の生活を反省した人、これから自分がやっていきたいことを見つけた人など、それぞれが心で感じとったことを、大切にしていってほしい、大事にしたいと思いました。

ラファエラ・マリア帰天100周年 講堂朝礼

今年は、清泉小学校の母体、聖心侍女修道会の創立者である聖ラファエラ・マリアの帰天100年の年です。先日の講堂朝礼では、宗教委員と、スペイン語クラブの子どもたちがラファエラ様のことについて発表しました。

初めに、ラファエラ様の生まれたスペインのコルドバ地方のペドロ・アバド村のこと、お生まれになった家、洗礼を受けられたアスンシオン教会、32年間お過ごしになった修道院などラファエラ様が生きられた場所やラファエラ様の言葉を、スペイン語とともに紹介しました。

そして、「ラファエラ・マリア私たちの姉妹」という曲に合わせてダンスを披露しました。世界中から集まってきたお友だちというテーマで、世界各国の民族衣装を着て、手をつないだり輪になったりして「姉妹」を表現しました。

最後には、聖ラファエラマリアへの祈りを全校で唱えました。これからも、ラファエラマリア様とともに歩んでまいりましょう。

芸術鑑賞会 オペレッタ『トラの恩返し』

毎年、卒業生の保護者の皆様からなる後援会が主催してくださっている芸術鑑賞会。これは、子どもたちに本物の芸術を直に見て、感じ、成長の糧にして欲しいとのと温かい気持ちから長く続いている行事です。今年度は、「オペレッタ劇団ともしび」の皆様による、オペレッタ『韓国・朝鮮の民話より トラの恩返し』の上映でした。

講堂に入ると、ステージの上には、昔の朝鮮半島に来たような素敵な背景画のセットが用意してあり、これから始まる物語への期待が膨らみます。

この物語は、人はトラを襲うもの、トラは人を襲うものとしてお互いに恐れ憎み合っていた世界で、若い木こりが、のどの痛みで苦しんでいるトラを助けることにより、トラが恩返しをし始める二人の友情物語です。

「なんだか気持ちが温かくなってきた。」

これは、トラが恩返しとして木こりの家の前にたくさんの丸太を置いて、木こりの親子の役に立ったときに言った言葉です。

人のために何かをすると、自分自身が幸せになれることを改めて感じました。

子ども達は、笑ったり、心配そうにしたりしながら、清泉小学校の目標「お友だちを大切に」と重なる想いを舞台を通して、一人ひとり実感していました。

劇が終わったあとは、朝鮮半島の大道芸も披露していただきました。

最後の退場でも、演者の皆様にずっと手を振り続ける子どもたちの姿から、この鑑賞会が有意義なものとなったことは間違いありません。

このような機会を作ってくださった、後援会の皆様、オペレッタ劇団ともしびの皆様、ありがとうございました。

校長だより~与える 愛を~

今朝は放送でおはなしをいたします。

清泉で大事にしている 10 の価値の「愛」についておはなしします。
先日、私は神奈川県審査「いっしょに読もう新聞コンクール」というコンクールの表彰式に参加しました。嬉しいことにそこでは清泉小学校の 3 名の方が表彰されました。
最優秀賞を受賞した、 5 年生の選んだ新聞記事は、心が温まる愛が溢れる内容でした。その記事を紹介したいと思います。

朝日新聞 2024 年 7 月 9 日 朝刊 ひととき(女性 読者から暮らしの中で感じたことが投稿される70 年以上の歴史をもつ欄 )
「土曜日の夕方、家に帰るとポストに郵便局からの不在通知票が入っていました。宅配ボックスを置いていますが、なま物なので持ち帰ったとありました。当日の受付が過ぎていたので、次の日の午前中に再配達を依頼しました。」
という出だしで始まるこの投稿 は、茨城県にお住いの女性が書かれたものです。こういうことは 各家庭でよくあることでしょう 。何気ない日常のことなのですが、続きを読みますと、
「夜になってチャイムが鳴ると郵便局の方です。お花なので、今日中がいいかと思って持ってきました、とのことでした。昨年亡くなった夫に宛てて娘が父の日にと 、 ひまわりの花を贈ってくれたのでした。今年の父の日は、ちょうど月命日にもあたっていました。」
とありました 。
郵便局の方は、この方の再配達のお知らせは知っていたでしょうけれども、お花を少しでもきれいな状態で運んであげたい、という温かい心が沸き上がったのでしょう、夜、届けたのですね。そしてそのお花は、娘さんの優しい気持ちも込められたものだったのですね。

続きを読みます。
「予想しないことに驚いてしまって、郵便局の方の心づかいと娘の優しさに、思わず涙が出て止まりませんでした。配達の方にお礼が言いたくて、翌日郵便局にファックスを送ると、上司という方からお電話がありました。皆さんの仕事の励みになると言ってくださって、また涙が止まりませんでした。」
投稿された女性は御主人を昨年亡くされ、寂しい日々を送られていたのかもしれません。配達の方と娘さんの突然の温かい心づかいに、涙がこぼれたようです。そしてこの記事から、温かい心は配達の方と娘さんだけでなく、ファックスでお礼をされたこの女性、そしてファックスへのお礼を電話でされた上司の方へと続くのです。 相手を想う優しい心と心の交流 、愛溢れるそれぞれの方の行動が綴られています。 コンクールでこの記事を選んだ 5年生の方もすばらしいなと感激しました。
そしてこの記事は終わりがこのように締めくくられていました。
「人の優しさにふれて、それを伝えたくて書いています。私も訪問介護という多くの方とふれあう仕事を20年しています。夫は君の天職だねと、いつも言ってくれていました。心も仕事も大切にしていきたいと思います。」
この方のご主人も奥様を温かく優しく包まれていらっしゃったことが伝わってきました。

今、ニュースを見ると、ロシアとウクライナの戦争やイスラエルとパレスチナの紛争の映像が、そしてSNS上では他者への心無い批判が飛び交い、気持ちは暗くなるばかりです。しかしながら こんなに愛情深い方々がいらっしゃって、心がジーンと温まる記事やニュースもあるのです 。 以前、心がほっこりするニュースを見つけてみましょうと、皆さんの先輩である子ども達に伝えたことを思い出しましたが、この記事を通して、 周りの方々を明るく優しく照らす愛を多くの人が差し出していけば、戦争や 誹謗中傷は起きないと考えずにはいられませんでした。 まずは、皆さんの周りから温かさを差し出してまいりましょう 。
実は、この記事を基にコンクールに応募した作品が最優秀に輝いたことを、新聞社の方が、この茨城の女性にお知らせされたそうです。
「優しい心遣いを皆さんにお知らせしたくて投稿したのですが、私の記事に目をとめて、応募されたのですね。」 とその方は感激され 、 また涙がこぼれ出てしまったとのことでした。

愛は身近なところから 、 どんどん繋がりを持ち広がっていくと先生は信じています。

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