清泉小だより

終業式

今日で、1年で1番長い学期、2学期が終わります。

2学期の始業式で、皆さんに
「2学期は自分の力を発揮するときです。やらなくてはならないことには誠実に、これをすると周りの方が喜んでいただけると気づいたときは自らすすんで、積極的にやっていきましょう。神さまからいただいた力を惜しまずに使っていきましょう。」とお話をしました。

今振り返ってみていかがでしょうか。いろんなことがありましたね。9月とはちがう皆さんがここにいます。心も体も大きく成長しました。

1年生は合宿が初めてでしたね。お友だちといっしょにどきどきわくわくしながら、長い時間を過ごした時間は楽しかったことでしょう。

2年生は、お世話をしているハニー君と、さらに多くの時間を過ごして、ハニー君のことをよく知ったことでしょう。

3年生は鎌倉調べを続けることで、鎌倉への想いが深くなったことでしょう。

4年生が主催したクリスマスの集いでは、クリスマスの温かさが伝わってきました。一人ひとりが輝いていました。ありがとうございました。

5年生は総合学習で、それぞれのクラスが「戦争と平和」「福祉」について深く考えました。多くの学びがありましたね。

6年生は、ハンガーバンケットが貴重な体験であったことでしょう。世界のもうひとりのお友だちのことを考えるよい体験でした。どうしたら困っている方々に寄り添うことができるか、みんなで考え合ったことを、忘れないでくださいね。

そして清泉小学校の皆で共に過ごした秋の集いは、心に深く刻まれたことでしょう。精一杯の力を出し切った結果が、赤組青組の同点につながりました。皆さんの姿は、見ている人たちの心を動かしました。すてきな秋の1日でした。

このように2学期を振り返ってみると、達成感でいっぱいの人が多いことでしょう。よくがんばりました。

さて、もうすぐクリスマスを迎えます。プレゼント、ケーキ、イルミネーションと街はにぎやかです。イエス様がお生まれになったことをお祝いするメッセージは街にはありませんが、なんだか心がうきうき温かい気持ちに周りの方々もなっていると思います。本当のクリスマスの意味が分からなくてもクリスマスを日本では味わっています。しかし、皆さんは本当のクリスマスのことを知っていますね。ベツレヘムで宿に泊まれず、家畜小屋でイエス様はお生まれになります。マリア様とヨセフ様のそばで飼い葉おけに寝かされたイエス様の誕生を、羊飼いたちや星の光を頼りにやってきた博士たちが心から喜びお祝いします。世界で最初のクリスマスは、小さい小さいクリスマスでした。神さまは人としてイエス様を私たちにプレゼントしてくださいました。一人ひとりを愛で包んでくださる神様に感謝して、このクリスマスをお祝いいたしましょう。

冬休みは、久しぶりにお会いする親戚の方もいらっしゃると思います。どのように接しますか?笑顔で、温かい挨拶を心がけ、冬休みも「お友だちを大切に」しながら過ごしましょう。

生活リズムを崩さず、よいお休みを過ごしてください。皆様のためにお祈りしています。
2026年1月8日に、元気にまたお会いしましょう。

クリスマスの集い

 神様はこの世界に「喜びと平和」が訪れるように、私達にイエス様を贈ってくださいました。

 クリスマスを待ち望むこの待降節に、4年生は「喜びと平和」のために自分達に何ができるかを考えました。

お話『はりねずみくんのクリスマス』 

 はりねずみくんは、お友達が喜んでくれるプレゼントは何がいいかな、と一生懸命考えます。森の動物たちもそれぞれお友達のために温かい優しさを分け合います。

『にじいろのクリスマスプレゼント』 

 神様の愛はにじいろです。「きくこと」「ほほえみ」「ゆるすこと」「かんしゃ」「ほめること」「しんらい」「いのること」…この7つの愛の姿を私達がお友達に贈ることができたら、私達も平和を創る担い手になることができるのです。

 クリスマスに私達の心の中にイエス様をお迎えできるように、各学年でクリスマスの実行をし、イエス様に実行のお捧げをしました。また、世界のもう一人のお友達のためにクリスマスチャリティーをしました。自分のあり余った物やお金を差し上げるのではなく、自分の大切なものを分けてあげること、世界のもう一人のお友達の気持ちや生活に思いを寄せ、自分にできる我慢や節約をし、その中から生まれたものを差し上げることを大事にしました。

 今年はカトリック教会で25年に1度の『聖年』です。4年生は2025年聖年公式聖歌『希望の巡礼者』を合唱し、喜びと平和のクリスマスをお祈りしました。今年もみなさまの心の中に幼子イエス様がお生まれになりますように。

6年生 総合学習報告会

 12月5日(金)に6年生は保護者の方やお友達に向けての総合報告会がありました。今年の6年生は「生命」を大きなテーマとして、総合学習の時間を中心に調べたり、考えたりしました。

 報告会で、子ども達は「絶滅危惧種」「地球温暖化」「戦争」「原爆被害」「海のゴミ問題」「保護犬」などについて、私たちが今できること。そして、私たちが大人になったときにどのような未来へしていかなければならないのかを訴えました。

<報告会を終えての感想>

・私が原爆について発表したことで、原爆のこわさをひとりでも多くの人にわかってもらいたいです。今でも苦しい思いをしている人がいることを知り、何年たっても忘れられないこわいことは良くないと感じました。

・お友達の発表を見ていると動物の命の大切さが人間より薄い感じがしました。人間と同じ命なのに差別が生まれることを悲しく感じました。

・様々な動物や人間が困っていることがよくわかり、とても衝撃を受けました。発表を通して、「リデュース」「リユース」「リサイクル」の3Rをこれからも続けていきたいと思いました。平和な環境をつくっていきたいです。

テレビ放送のご案内

  12月24日(水)の0:35~1:27にNHKBSにて、2年生の総合学習の様子をまとめたミニドキュメンタリーが再放送されます。

  番組制作会社に勤務している本校卒業生も協力して、今の子どもたちの学びの様子をお伝えする内容となっています。

  是非、ご覧ください。(「ミニドキュメンタリー 25年末夜ふかし一気見SP!」内で10分間放送されます)

1年生と清泉インターナショナル学園との交流

 11月に清泉小学校と姉妹校の清泉インターナショナル学園の子どもたちは、こども自然公園で交流を行いました。例年は3年生から交流がスタートしますが、今年度の1年生から同じバディーと5年生まで交流をしていくことになりました。

鎌倉清泉の児童は、普段の英語の授業で発表する際にいう“Hi, I′m~.”という自己紹介のフレーズを使って、インターのバディーと自己紹介をし合いました。

お互いに仲を深めるためにミッションゲームにチャレンジしました。

とっても仲よくなりましたね!

その後はみんなでお弁当を食べました。

お昼をいただいた後は、仲良くなったインターのお友達とお話をしたり、大きな遊具で遊んだりしました。

 清泉小学校は清泉インターナショナル学園との交流を大切にしています。言葉が十分に通じなくても、一緒に遊び、同じ時間を過ごす中で、子どもたちは自然と心の距離を縮め、すぐに仲良くなっていきます。

 この交流は、5年生まで毎年1回行う予定です。回を重ねるごとに、子どもたちには「もっと一緒に話したい」「英語で気持ちを伝えてみたい」という思いを少しずつ育んでいってほしいです。

 こうした体験が、英語を“勉強するもの”ではなく、“人とつながるためのことば”として感じるきっかけとなり、英語学習への前向きな意欲へとつながっていくことを願っています。

友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない

11日はクリスマスの集い、来週は2学期の終業式を迎えます。2学期前半は、とても暑い日が続いていましたが、今は寒さが身にしみる冬がやってきました。「お友だちを大切に」過ごせましたか。自分中心に考えていませんでしたか。周りの方の気持ちや状況を想像して、ことばや態度で表せていましたか。

今、私は、6年生と面接をしています。「清泉小学校で大切にしてきたことは何でしたか。」と質問した時に、全員が「お友だちを大切にという学校で大事にしていることを実践してきました。」と答えました。そして、「お友だちに嫌な思いをさせないようにしました」「『お友だち』の意味の深さを考えながら過ごしました。」「自分よりお友だちを優先しました。」「困っている低学年のお友だちに積極的に声をかけました。」「お友だちと意見がぶつかっても、こういうことを言ったら嫌だろうなと思いながら、話しました。」と次々に実践してきたことをお話ししてくれました。相手の気持ちに寄り添おうとする優しさや、心の広さを感じました。そんな思いやりのあふれる6年生と学校生活を送れるのも、残り53日ほどです。「お友だちを大切に」、皆さん一人ひとりの温かい心を渡していきましょう。

今年度は、清泉で大切にしている10の価値の中の「生命」について考えています。
今日は、前回のマキシミリアノ・マリア・コルベ神父様のお話の続きをします。

いまから130年ほど前にポーランドでお生まれになったコルベ神父様は、36歳で長崎に上陸され、お金もない、日本語も知らない中、それでもイエス様のお導きで、長崎彦山の中腹、本河内に聖母の騎士修道院を開きました。結核を患いながらの6年間の日本での生活でしたが、ご自分の生命をキリスト教の布教に捧げられました。

日本を後にし、コルベ神父様は帰国されます。その後第二次世界大戦中、コルベ神父様の話すカトリックの教えとナチスの思想は相反するとして、コルベ神父様達はブラックリストに載せられてしまいました。コルベ神父様はついに捕らえられ、アウシュビッツの強制収容所へと送られてしまうのです。そこでは、少しでも働ける者は重労働を、働けないものはガス室に送られ命を奪われていました。毎日毎日、大勢の人が亡くなりました。食料不足、寒さ、不衛生によって病気になって死んでいく人もたくさんいました。

コルベ神父様は若い神父様たちを励まし続けました。「私はここを生きて出ることはできません。しかしあなた方は帰れます。気を落としてはいけません。聖母マリアが必ずあなた方を助けてくださいます。」時に、神さまのお話を人々に語ることもありました。極限状態でもコルベ神父様は、周りの方のために尽くされていました。

ある日、一人の仲間が逃げ出しました。それをきっかけに、その日は暑かったにもかかわらず水を一滴も与えられず、照りつける日差しの中、コルベ神父様たちはずっと立たされていました。何人もの人が倒れる中、収容所の所長が言いました。「逃げたやつは見つからない。10人をこれから選ぶ。そいつらはみせしめに飢えて死んでもらわねばならない。」所長は気まぐれに10人を選んでいきます。人を人として全く扱っていません。

その中の一人が泣き叫びました。「ああ、かわいそうな妻と子ども達」

その時、一人の男性が前に出ました。

「あの人の身代わりになりたいのです。」

「お前は誰だ。」

「カトリック司祭です。私には家族がありませんから。」

一歩前に出てそう話されたのは、コルベ神父様でした。

所長は一瞬黙りました。かつて体験したことがない場面だったからです。

「よかろう。」

人々の列が2列に分かれました。生きる人の列と、死に行く人の列に。

第11号棟の地下牢に裸で放り込まれた人たちは、絶望の底で死の恐怖や苦しみと闘いました。そんな中でもコルベ神父様は、なつかしい思い出、家族のことを人々とともに語り、祈り、歌い、皆を勇気づけました。一人、また一人と亡くなり、とうとうコルベ神父様だけが残りました。15日目、とうとうコルベ神父様は毒薬を注射されてしまいます。47年の生涯でした。

コルベ神父様に身代わりになってもらった方は、奇跡的に生きて帰りました。残念なことに2人の息子は戦争で亡くなっていましたが、自分の生命を差し出したコルベ神父様の行為は、広く世界に知られるようになっていったのです。コルベ神父様は「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」という聖書の言葉を、この世で生きて見せたのです。1982年10月、ローマ法王庁はコルベ神父様を聖人にあげられました。

コルベ神父様を通して、自分より他者を優先する愛が伝わってきます。どんなに過酷な状況でも神さま、マリア様に身を委ねたコルベ神父様の信仰の強さを感じます。

人は本来、優しさも持ち合わせていますが、戦争となると、人を人として見ず、生命への尊重の念も消え、正しい考えを失ってしまいます。みんな神さまから愛され大事にされている人であり、生命です。生命の大切さを改めて心深く考え、私たちにできる「お友だちを大切に」を実行してまいりましょう。

参考文献「コルベ神父物語」曽野綾子著 聖母の騎士社

6年生 「ハンガーバンケット」

 清泉小学校では、毎年6年生になると『ハンガーバンケット』を行います。『ハンガーバンケット』は、世界で起きている“食べものの不公平さ”を感じてみるための体験型学習です。参加する人たちはくじ引きでグループ分けされ、それぞれのグループによって食べられる量や食事の内容が少しずつ違います。

 高所得者層グループは好きなものを好きなだけいただけます。

 中所得者層グループでは塩おむすび1つと麦茶をいただけます。

 低所得者層は、食パン1/4と小さい紙コップのお水を1杯いただけます。

 「世界には、こんなにも食べものが足りなくて困っている人がいるんだ」と実際に体験してみることで、ふだん当たり前のように思っている食事のありがたさに気づき、自分のまわりの人や社会について考えるきっかけになります。

 食事のあとには、子どもたちそれぞれが感じた思いや気づきを分かち合う時間もあり、互いの考えを聞くことで、思いやりや小さな行動へとつながる心がより深まっていきます。

 清泉小学校の児童は、毎週金曜日のチャリティデーを通して、「世界のもう一人のお友達」のために、自分のお弁当のおかずを我慢しておにぎりだけの日を作っています。我慢した分のおかず代はチャリティとして募金し、世界のさまざまな地域や団体に寄付しています。

 一人ひとりの力は小さいかもしれませんが、みんなで協力し合うことで、大きな助けにつながることを子どもたちは学んでいます。これは、聖ラファエラ・マリア様の言葉 「私の周りにいる全ての人を、幸せにするよう働くこと、それが本当の愛」 に通じる取り組みです。子どもたちは彼女の生き方に倣い、日常の中で自分にできることを見つけ、行動することを大切にしています。

 清泉小学校では、これからも子どもたち一人ひとりが、思いやりの心と行動を通して、世界のお友達のためにできること実践してまいります。

3年生 教科×総合学習「鎌倉調べ」

 清泉小学校では、教科と総合学習を絡め、教科横断型の授業を展開しています。2学期に行った3年生の教科×総合「鎌倉調べ」の活動を2つご紹介します。

 1つ目は若宮大路にある段葛の「長さ調べ」。算数「長さ(メジャー)」×総合の実践です。二の鳥居と三の鳥居の柱の太さと幅や、段葛の道の長さと幅を、20mメジャーを使い測りました。長いメジャーをお友だちと協力して、ぴんと真っすぐに伸ばしたり、0mに印をつけて繰り返し測ったり、何度測ったか正の字で数えました。

 段葛は源頼朝が妻の北条政子の安産祈願のために造ったことや、一昔前までは一の鳥居から始まっていたこと、だんだんと道幅が狭くなり遠近法で参道が長く見えるように設計されていることなどを、算数の勉強をしながら学びました。

 2つ目は小町通りや若宮大路にあるお店にインタビューを行う「鎌倉の町調べ」。社会×総合です。グループごとに3つのお店を訪問し、それぞれのお店のこだわりや歴史について取材を行いました。普段買い物をするだけでは気づかないお店の方の想いやこだわり・心遣いに触れ、子どもたちは驚きとともに尊敬の気持ちを抱いたようです。鎌倉という観光地ならではのお話もあり、また試食をさせてくださったり厨房を見学させてくださったりと、それも特別な思い出となったようです。学校に戻ると取材を元にした新聞作りにも取り組みました。

コルベ神父様を知っていますか

今日は11月11日。日本記念日協会によると、1年の中でも3番目に記念日が多い日だそうです。
調べてみると、今日は、鮭の日(魚へんに十一十一)、たくあんの日(大根をたくあん用に1111と干すイメージ)、電池の日(乾電池の+-+-)、ポッキーとプリッツの日(形が1に似ている)など、他にもたくさんありました。

気が付けばすでに2学期も後半に入っています。クリスマスの集いに向けて、4年生は少しずつ準備に入ることでしょう。温かい気持ちで皆でイエス様のご誕生をお祝いできるよう、4年生の皆さん、どうぞよろしくお願いします。

さて皆さんは「お友だちを大切に」「誠実に」過ごせていますか。振り返ってみましょう。
朝の路線バスは5年生や6年生が利用していますが、先日そのバスに乗った先生から、マナーが素晴らしかったと聞きました。後ろから詰めて座り、乗り合わせた方のことを考えておしゃべりを控え、バスの中でも「お友だちを大切に」を実践していたようです。バスの中の“お友だち”は一体どなたでしょう。清泉小の児童だけでなく、同じバスに乗り合わせた一般のお客様もお友だちです。その方々を特に大切にしたのですね。この温かい気持ちを持ち続けてください。

逆に、とても残念なことに電車内で乗客の方にご迷惑をおかけしたこともありましたので、その事についても共に考えたいと思います。昔あったことをお話します。
電車の中で、清泉の児童が背負っているランドセルが乗客の方に強く当たってしまい、その方が手に持っていたものを落としてしまいました。その方は「痛い」とおっしゃったようですが、その時の清泉生は、大事な言葉がとっさに出ませんでした。何と言えばよかったでしょう。『清泉の子ども』で大切にしている言葉「どうぞ、ありがとう、ごめんなさい」の「ごめんなさい」ですね。「ごめんなさい」が、相手の方に伝わらないと、相手の方も嫌な思いを持ったままその後も過ごすことになります。皆さんも急にぶつけられて痛かったら悲しい気持ちになる事でしょう。その場ですぐに「ごめんなさい。大丈夫ですか。」と声をかけることが出来たら、相手の方も心が和らぎます。わざとでなくてもうっかり失敗してしまったら、すぐに「ごめんなさい」と言え、申し訳ないという気持ちを伝えることが出来るようにしましょう。


さて今年度は、清泉で大切にしている10の価値の中の「生命」について考えています。前回はマザーテレサのお話でした。今回は、マキシミリアノ・マリア・コルベ神父様のお話をします。皆さんはコルベ神父様を知っていますか。

今から44年前、日本に初めて教皇様がいらっしゃいました。1981年2月26日、長崎では珍しい大雪の中、教皇ヨハネ・パウロ2世が来日されたのです。忙しい日程の中、長崎の本河内にある聖母の騎士修道院を訪ね、長い時間そこで祈られました。実は、コルベ神父様と同じポーランド人の教皇様は、この修道院を訪ねることが以前からの特別な望みだったのです。
「キリストが示された愛の姿をそのまま実行されたコルベ神父様を見習うために、この修道院を訪ねました。」
と教皇様はお話しされました。キリストが示された愛をそのまま実行したコルベ神父様はどんな方なのでしょうか。「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない(ヨハネによる福音書15章13節)」という聖書の言葉をコルベ神父様はこの世で生きてみせたのです。まさにご自分の生命を他者のためにささげたのでした。

コルベ神父様は1894年、ポーランドで生まれました。13歳の時フランシスコ修道会の神学校に入ります。その後23歳の時に、神学・哲学を共に学んだ仲間と共に、聖母の騎士修道会を設立。35歳の時にキリストの教えを広めるため、日本へ行くことを望まれ、36歳で長崎に上陸します。お金もない、日本語も知らない、日本に知人もいない上陸でした。「何もないですが、神さまが与えてくださると思います。」と神さまにゆだねながら、早速大浦天主堂の下に仮の修道院をつくり、布教のために「聖母の騎士」の冊子を創刊します。貧しく厳しい生活でしたが精力的に働かれました。その翌年には、長崎の彦山の中腹、本河内に聖母の騎士修道院を開きました。6年間の日本での生活でしたが、結核を長年患っていたのでしじゅう熱を出しながらの日々でした。長崎で被爆され「長崎の鐘」や「この子を残して」を書かれた永井隆博士もコルベ神父様の診察をしていたそうです。「この重い肺病をもちながら、世界中を走り回って聖母の騎士運動を長い年月続けているとは・・・」と永井博士はびっくりされました。そんな永井博士にコルベ神父様はロザリオを差し出して「これですよ、これ。」と嬉しそうにマリア様とともにおられることを告げたのだそうです。それほど自分の生命をキリスト教の布教に捧げたのでした。私は、コルベ神父様と永井博士の繋がりに驚きました。お二人は共にその後戦争の大きな犠牲者となるからです。

長崎の本河内にある修道院には、コルベ記念館があります。機会があったらぜひ訪ねてみてください。
6年後日本を後にし、コルベ神父様は帰国されました。その後第二次世界大戦中、ナチスは、コルベ神父様の話すカトリックの教えとナチスへの思想は、相反するとしてブラックリストに載せ、ついにコルベ神父様は捕らえられます。ワルシャワの収容所、そしてアウシュビッツの強制収容所へと送られてしまうのです。コルベ神父様はどんな最期を迎えられたのか、それは次にお話をいたします。

5年総合学習『かこさとし』さんについて鈴木万里さんよりご講演をいただきました

10月29日(水)、絵本作家のかこさとしさんのご長女で、加古総合研究所の鈴木万里さんが、平和学習を深める5年ベトレヘム組の子ども達に、かこさとしさんについてお話しするために学校にいらしてくださいました。

5Bの子ども達がかこさとしさんについて学びを深めることを強く願うようになったのは、『くらげのパポちゃん』(講談社)に出あったことでした。

この日はまず講堂で、どんな出来事がかこさんの人生や作品に影響を与えたのか、また絵本作家としてどんな思いで作品を作っていらしたのかなどを、ご家族としての視点なども交えながらくわしくお話しして下さいました。

また、絵本『秋』(講談社)の朗読もして下さいました。
かこさんは秋が一番好きな季節だったのに、太平洋戦争中だった18歳の秋の時のできごと(透きとおった秋晴れの空に墜落する戦闘機、開かなかった落下傘、お世話になった医者の先生の戦死の報せ…)によって、秋を嫌いになってしまわれたそうです。


絵本『秋』のテーマは、かこさんが終生憎んでいた「戦争」です。戦争の悲惨さに怒り震えるかこさんが、それをいつまでも忘れないように、そして子どもたちに伝えたいと描かれた作品です。

講堂では5Bの児童だけでなく、他の学年の児童も共にお話を聴くことが出来ました。講堂に集まった児童、教職員、保護者へ向けて情感を込め、一語一語丁寧に『秋』を読んで下さいました。平和を願う、かこさんの強い思いがしっかりと伝わってきました。

講堂でお話をうかがったあとは、5Bの子ども達が心を込めて準備をしてきた“鈴木万里さんをお迎えする会”を教室で開きました。だるまちゃんやからすの家族など、子どもたちが大好きなキャラクターが溢れる教室で、「くらげのパポちゃん」、「からすのパンやさん」、そしてかこさとしさんにについてなどの質問に丁寧に答えてくださいました。

そして最後に、聖ラファエラ・マリア様の歌『麦の賛歌』を歌って、お別れしました。




この日の様子を、かこさとし公式サイトにもアップしてくださっておりますので、どうぞご覧ください。

編集室より | かこさとし 公式webサイト

引き続き、かこさんの作品をみんなで読み深めていきたいと思います。子どもたちにとって、一生忘れることのできない大切な時間となりました。
本当にありがとうございました。

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