清泉小だより

2025年02月

校長だより~愛はあたえるもの~

清泉で大切にしている10の価値の中の「愛」について、今年度いっしょに考えてきました。皆さんは「愛」について、どのように感じていますか。
前回の講堂朝礼で紹介した神父様が「人によって、感じ方はいろいろですよ。」とおっしゃっていたように、皆さんに聞いてみると、きっと様々な思いが返ってくると思います。

先日、6年生の方とお話をしていて、こんな話が出ました。

「清泉で大切にしていることは、どの教室にもはられているお友だちを大切にです。その言葉を6年間ずっと考えてきました。どうしたらお友だちに喜ばれるか、低学年のときはよく分からなかったです。でもこんなことかなと思った時は、お友だちのためにできることを自分なりにやってきました。」

頭で思っているだけでなく、実行することの大切さを6年生は実感していたのだと、先生は嬉しく思いました。

愛は、周りの方からしていただくことを待つのではなく、自分から周りの方に与えることです。与える愛を実行していきましょう。

『聖母の騎士』という冊子に、あたえる愛についてこんな記事が掲載されていました。

「子どもの日に、お父さんとお母さんと弟といっしょに遊園地に行きました。お父さんは、遊園地でぼくと弟に風船を買ってくれました。帰りの車の中で、弟はその風船で遊びました。でも風船がバックミラーに映って、お父さんの運転の邪魔になりました。お父さんは弟に注意して、危ないから車の中では風船で遊ばないようにと言いました。でも弟はお父さんのいうことを聞かずに風船で遊び続けたので、お父さんはバックミラーが見えなくなり、弟をしかりました。そして今度風船がバックミラーに映ったら、風船を飛ばしちゃうからね、と、言いました。それでも弟は言うことをきかないで、風船で遊び続けたので、お父さんはついに怒って、弟から風船を取り上げ、風船を本当に窓から外に飛ばしてしまいました。弟は、わーんと泣きました。」

車のバックミラーは運転をする人にとってはとても大事な鏡です。後ろの様子に気を付け、安全に運転しなくてはならないからです。さて、それを見ていたお兄さんはいったいどうしたでしょうか。

「ぼくは、ふと手に持っていた自分の風船に目をやりました。すると弟もぼくの風船を見ていました。ぼくは少し考えてから、ぼくも同じだよ、と弟に言って、窓から風船を飛ばしました。すると弟はだんだん泣き止んで二人で仲良く遊びました。」

お兄さんも弟と後部座席に一緒に座っていて、風船で遊んでいた弟の様子を見ていたことでしょう。弟がお父さんの言うことをきかなくて、困ったな、と思っていたかもしれません。弟の風船がなくなってしまい大泣きをしている様子を見て、ぼくはどうしたらいいか、少し考えていました。もしかしたら、おうちに帰っていっしょにこの風船で遊ぼうね、と言おうと思ったかもしれませんし、ちゃんとお父さんの言うことを守ろうね、となだめようと思ったかもしれません。

皆さんがお兄さんだったら、弟にどのようにしますか。このお兄さんは弟と同じになることを選びました。それが正しいというよりも、お兄さんにとって弟を大事にする気持ちがその実行だったのでしょう。その風船はお父さんに買ってもらった大切な風船だったのですが、その大切な風船を弟の風船と同じように空に飛ばしたのです。お兄さんにとっての弟への最大の愛であったと、先生は感じました。与える愛の行いは、何が正解ということではなく、相手を大事に思う気持ちを表すことです。

「愛」は神様の望まれることを行うことと言えるでしょう。聖ラファエラ・マリア様の言葉「まわりの人を幸せにすることそれがほんとうの愛」の実践です。自分もお友だちも、神様から愛されている大事な大事なひとりです。お友だちを大切にすることで、愛である神様を感じてまいりましょう。

清泉女学院中学校の教員による出前授業

 2月14日(金)に清泉女学院中学校の教員による5年生を対象とした出前授業が行われました。

 当日は国語、数学、社会、理科、英語の5教科の授業が行われました。

 <国語>

 児童にとって馴染みのある2つの昔話を例に、昔話の共通項を見つけ出すことをしてみました。考えていくと、昔話には共通項が多いこと、物語のつくりが似ていることに気付きました。

 <数学>

 色画用紙を使って、メビウスの帯を作ってみました。初めて作った児童が多く、捻り方で変化する帯に興奮冷めやらぬ様子でした。

<社会>

 ボルダルールを体験する授業として、好きなアイスを決めていきました。普段とは違った決め方ということもあり、終始意見が飛び交う賑やかな授業となりました。

 <理科>

 静電気を使った実験に挑戦しました。帯電させることが思いの外難しかったようです。

 <英語>

 教員が言った文房具を筆箱から素早く取り出したり、「a」と「an」の違いに注目したりする、英語に触れ続ける授業でした。清泉小学校も清泉女学院中学高等学校も英語教育を大切にしていることが特徴の1つです。

 児童にとっては中学校での勉強に対する興味が湧き続けた1日になったことだと思います。

~本物に触れて考える~

「鎌倉彫博士になって、作品の魅力を発信してみよう!」

清泉小学校のある鎌倉には、「鎌倉彫」という伝統工芸品があります。2学期に行った国語「未来へつなぐ工芸品」の作者の思いを深め、社会科の伝統工芸品の学びを広げるために、鎌倉彫資料館の学芸員の方を講師にお招きし、出前授業を行っていただきました。

鎌倉彫の歴史や作り方などを教えていただき、実際に作品を観て、触って「気付いたこと」「感じたこと」「疑問に思ったこと」をキャプションにまとめました。

 実物(レプリカ)を実際に触れることで、彫りの深さや細かさ、側面や裏面にも彫りがあり丁寧に仕上げられていること、年月を経て塗ってある漆が出す奥深い色などを体感することができました。子どもたちが考えたキャプションは、“鎌倉彫資料館”に展示していただきます。

 また、2月には彫刻刀を使い、鎌倉彫体験も行います。子どもたちが鎌倉彫の魅力をさらに感じ、鎌倉をより好きに・誇りに思い、伝統を大切にする心が育ってくれたらと願っています。

 

 

 

「和紙について学ぼう~伝統工芸品を守るために、私たちにできることは~」

さらに、伝統工芸品の一つである「和紙」に注目し、様々な和紙に触れる活動もしました。色鮮やかなものから素朴な色のもの、柄入りのもの、楮の繊維質がわかるものまで、見ているだけでも楽しくなります。また、実際に触ってみると、産地や用途によっても質感が変わることがわかりました。

和紙が日本の文化として欠かすことのできないものである一方で、日本では和紙の主な原料の生産量も激減しており、和紙作りの担い手不足が深刻化していることも調べていく中で学びました。このままでは文化が衰退、そして無くなってしまう危機にさらされていることを知り、自分たちにできることはないかを探し、活動を続けています。

今後は、和紙職人の方をお招きして、紙漉き体験を行ったり、お話を伺ったりする予定です。

子どもたちが、伝統を “いつの世までも” 受け継いでいくために、自分たちにできることがないかを考え、和紙の持つ魅力を伝えていく一人となれるように、学びを深めてまいります。

 

 

和紙の原料「楮(こうぞ)」を使って

「野菜を使った紙作り」

 

伝統工芸品について学び、他にも日本和紙があることも知った子ども達。並行して総合学習でSDGsについても学び、ごみ問題、フードロス問題などについても考えていく中で、野菜を使った紙があることを知りました。和紙の原料となる楮の生産も減ってきていることから、どちらの問題も斬新なアイディアで解決しようと野菜の繊維を混ぜて紙を作る実例を見つけました。そこで、自分たちも野菜くずの再利用として、楮と混ぜて紙作りを試してみることにしました。

 この日はちょうど自然教室でキャベツの収穫をし、通常はキャベツの外側の葉は捨ててしまう(土に戻す)のですが、それを使うことにしました。また、家で出た野菜くずを使った紙作りもしました。

様々な野菜をミキサーで細かくし、楮としっかり混ぜて、「ためすき」をしました。持参した野菜は、レモンの皮・みかんの皮・グレープフルーツの皮・ニンジンの皮・たまねぎの皮・ブロッコリーの葉や茎・白菜の芯・大根の葉っぱなど。思い思いの型に流し込み、水がぬけるのを待ちます。どのような紙ができるのか、乾くのを楽しみにしています。

第55回神奈川県私立小学校児童造形展のお知らせ

2月11日(火)から、神奈川県私立小学校児童造形展が始まります。

これは、神奈川県にある私立小学校に通う小学生が心を込めて作った作品を展示する展覧会で、今年で55回目となります。
本校も、1年生から6年生までいろいろな作品を出展しています。
子どもたちの力作をどうご覧ください。

開催日時
2025年2月11日(火)~16日(日)
10時~18時(最終日は15時まで)

入場無料

場所
神奈川県民ホールギャラリー 神奈川県横浜市中区山下町3-1

主催 神奈川県私立小学校協会

第55回神奈川県私立小学校児童造形展ポスター

校長だより~イエスさまの生き方をお手本に~

2月3日は立春でした。まだまだ寒い日が続いていますが、立春は「暦の上では春」と呼 ばれる日です。最近は日に日に日が長くなって、春が近づいてくることを実感することが できます。3学期の登校日も残り30日を切りました。

皆さんは今、1年のまとめをがんばっていますね。そんな学校生活を送る中で、お友だちとうまくいかなくて「困ったな。どうしよう。」と思うこともあるかもしれません。そんな時は、イエス様だったらどうするかな・・・と考えてみるといいのですが、皆さんはいかがですか。

先日ある冊子(「こじか」オリエンス宗教研究所)を読んでいましたら、神父様への相談でこんなものがありました。
『となりにすわっているお友だちがいつもじまんばかりしているので、話がつまらないです。それで、ほかのお友だちと仲良くしていると、嫌なことを言ってきます。嫌なお友だちと離れたいと思うことは、悪いことですか。』という相談でした。皆さんの中に似たような経験、例えば「このお友だちと気が合わないな。嫌なことを言 われて楽しくなくなったから、このお友だちと離れたいな。」と思ったことがある人がいるかもしれません。そんな時は、皆さんどうしますか。

神父様は「人によって、感じ方はいろいろですよ」「受け止め方は様々であることを知っておきましょう」と書いていらっしゃいました。その上で、次のように続けておられました。『じまんばかりしているとなりのお友だちに対して、あなたは「つまらない、離れたい」と感じているけれど、他の人は「おもしろい」と思っているかもしれないよ。あなたにはとなりの人だけでなく他にもたくさんのお友だちがいる、お友だちはとても大切だから、心の平和を保つためにそのお友だちと少し距離をおくのは、けんかをしないためにあなたが本当にそうしたいならそうしてもいいけれど。イエス様は、「人からしてもらいたいことを、人にもしなさい」(ルカ6章31節)とおっしゃっているから、このみ言葉を努力目標にしてみたらどうかな。』

じまん話ばかりをしているお友だちがつまらないからそのお友だちと離れることは、イエス様のおっしゃる「人にしてもらいたいこと。」なのでしょうか。お友だちを大切にするときに、自分がお友だちにしてもらいたいことかを考えてみるといいですね。また、じまん話をしているお友だちは、本当にずうっとじまんばかりしているのでしょうか。そのお友だちのことをどのくらい知っているのでしょうか。良いところはないのでしょうか。お友だちのほかの面にも目を向けて、お友だちを決めつけてしまわない、よく知るということが大事 だと思います。

そのあと神父様は次のように続けて書いていらっしゃいました。『人間関係は切るのは簡単だけど、再びつなぎあわせるのはとても難しいよ。今は、少し 離れても、いずれ気持ちよく仲良くなれればいいと願っているよ。イエス様の言葉 「自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな恵みがあろうか。罪人でも、自分を愛してくれる人を愛している。また、自分によくしてくれる人に善いことをしたところで、どんな恵みがあろうか。罪人でも同じことをしている・・・・あなた方は敵を愛し なさい。」(ルカ6章32~36節)を読んでみよう。そして、神さまの力をお借りしていつの日か、じまん話のお友だちも、あなた自身も変わって、真の友情が築けるように祈っています。』

さて、ここでもう1度考えてみましょう。お友だちとうまくいかないな、と思ったときにどうしますか。どんな人もお友だちとのことで、困ったり悩んだりするものです。そんな時、皆さんはきっと迷ったり、心を痛めたり、悶々としたりすることでしょう。真の友情は、そんな気持ちのすれ違いがあってもそれを乗り越えて、わかり合い、認め合い、許し合い、絆を 強めていくものだと思います。この神父様のお話のように、「人によって感じ方はちがう」ことを心に留め、お友だちをこういう人なんだと決めつけないで、そのお友だちのことを よく知る努力をしてみましょう。人にしてもらいたいことを、勇気をもってしましょう。そんな困難な時が成長のチャンスです。お友だちも自分と同じように神様から愛されている大事なお友だちです。一人一人の中にイエス様がいらっしゃいます。お友だちを大切にすることって本当にどんなことなのか、お話ししたような経験を通して考えることもありますね。

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