清泉小だより

校長だより~大切ないのちをまもる~

先日、地震津波避難訓練がありました。皆、真剣に訓練に参加していました。訓練は大事です。自分の命は自分で守りましょう。

日本は海や山でレジャーを楽しめる自然に恵まれた土地ですが、地震や津波などの災害も起きる国です。前回から清泉で大事にしている10の価値の中の「生命」について考えていますが、今回は、日本で実際に起きた災害を通して考えたいと思います。

今年の2月26日、岩手県大船渡市で発生した大規模な山林火災は40日経った4月7日に鎮火するまでに、1人の方が亡くなられ、住宅など200棟以上が被害を受けました。山手線の内側の面積の半分ほどが焼けてしまったそうです。

大船渡市は東北三陸リアス式海岸で有名なところです。今から14年前、2011年3月11日には東日本大震災が発生、大船渡の方々は震度6弱の揺れで非常に怖い思いをされ、その後すぐに起きた大津波で大事ないのちをたくさん亡くしました。亡くなられた方、行方不明の方合わせて419人、建物も5000世帯以上の被害が出ました。大船渡は漁業の町で、サンマ、ワカメ、ホタテ、カキやアワビの養殖でも知られていますが、その漁業にも甚大な被害が出ました。東日本大震災から14年かけてその復旧のために全力を注いできていたところに、再び大きな山林火災があったのです。再度家を失う方もいらしたと聞きました。二重被災に見舞われたことになります。

今年の3月のある朝、ラジオを聞いていた時に、まだ大規模山林火災のさなかにあった大船渡の方のメッセージをアナウンサーが読まれているのを聞いて、心が強く痛みました。大津波で被害を受け、お店を別の場所に移して営業を再開されていた方からのメールでした。今回の山林火災からは安全な場所にいらしたそうですが。こんなお手紙でした。

「毎日サイレンが鳴り、消防ヘリが飛んでいます。携帯アラームがけたたましく鳴り響いています。不安ばかりが募ります。道を連なって走る多くの緊急車両・・・天の神様、海の神様、山の神様、私たちはそんなにいけないことをしましたか。海に飲み込まれた夢を少しずつ取り戻しているのに。今度は希望を燃やし尽くしてしまうのですか。」

東日本大震災から14年、今度は大規模山林火災です。悲痛な叫びに聞こえました。どんなに不安だったことでしょう。消しても消しても止まらない火の勢いに、東日本大震災の時の恐怖と重なったそうです。夜になると山が赤く燃えているのが見え、いつになったらこの火がおさまるのかと気持ちもおさまらず、思わずラジオに投稿したということでした。

実際、大船渡市の消防の方は24時間休みなく交代で、民家を守るために懸命に消火活動をされていたそうです。また多くの避難者のために温かいものをと、炊き出しを率先して行った方もいらしたとのことでした。その中に東日本大震災で被災された方々もいらっしゃいました。「やりたくてやっています。」とお話しされ、不安で心が押しつぶされそうな人に少しでも寄り添いたいという強い思いをその方に感じました。

生命を脅かす危険な状況に陥った大船渡の方々を、全力で守ろうとする地元の方々の活動だけでなく、他県からの支援も多々あったと聞きました。生命を守ろうとするたくさんの力が働いていたのです。

月、清泉小学校でもこの状況を踏まえて、義援金として大船渡の方々に送りました。

このような生命の危機にさらされる方々が、日本国内、国外問わず多くいらっしゃいます。私たちは戦争、貧困、災害など、その実状を知ることが大事です。私たちは神さまの子どもですから、いただいた生命を守るために、困難のうちにおられる方々のことを知り、思いを寄せて祈り、何ができるのかを考え、私たちも実行していきたいと思います。

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