清泉小だより

2025年11月

3年生 教科×総合学習「鎌倉調べ」

 清泉小学校では、教科と総合学習を絡め、教科横断型の授業を展開しています。2学期に行った3年生の教科×総合「鎌倉調べ」の活動を2つご紹介します。

 1つ目は若宮大路にある段葛の「長さ調べ」。算数「長さ(メジャー)」×総合の実践です。二の鳥居と三の鳥居の柱の太さと幅や、段葛の道の長さと幅を、20mメジャーを使い測りました。長いメジャーをお友だちと協力して、ぴんと真っすぐに伸ばしたり、0mに印をつけて繰り返し測ったり、何度測ったか正の字で数えました。

 段葛は源頼朝が妻の北条政子の安産祈願のために造ったことや、一昔前までは一の鳥居から始まっていたこと、だんだんと道幅が狭くなり遠近法で参道が長く見えるように設計されていることなどを、算数の勉強をしながら学びました。

 2つ目は小町通りや若宮大路にあるお店にインタビューを行う「鎌倉の町調べ」。社会×総合です。グループごとに3つのお店を訪問し、それぞれのお店のこだわりや歴史について取材を行いました。普段買い物をするだけでは気づかないお店の方の想いやこだわり・心遣いに触れ、子どもたちは驚きとともに尊敬の気持ちを抱いたようです。鎌倉という観光地ならではのお話もあり、また試食をさせてくださったり厨房を見学させてくださったりと、それも特別な思い出となったようです。学校に戻ると取材を元にした新聞作りにも取り組みました。

コルベ神父様を知っていますか

今日は11月11日。日本記念日協会によると、1年の中でも3番目に記念日が多い日だそうです。
調べてみると、今日は、鮭の日(魚へんに十一十一)、たくあんの日(大根をたくあん用に1111と干すイメージ)、電池の日(乾電池の+-+-)、ポッキーとプリッツの日(形が1に似ている)など、他にもたくさんありました。

気が付けばすでに2学期も後半に入っています。クリスマスの集いに向けて、4年生は少しずつ準備に入ることでしょう。温かい気持ちで皆でイエス様のご誕生をお祝いできるよう、4年生の皆さん、どうぞよろしくお願いします。

さて皆さんは「お友だちを大切に」「誠実に」過ごせていますか。振り返ってみましょう。
朝の路線バスは5年生や6年生が利用していますが、先日そのバスに乗った先生から、マナーが素晴らしかったと聞きました。後ろから詰めて座り、乗り合わせた方のことを考えておしゃべりを控え、バスの中でも「お友だちを大切に」を実践していたようです。バスの中の“お友だち”は一体どなたでしょう。清泉小の児童だけでなく、同じバスに乗り合わせた一般のお客様もお友だちです。その方々を特に大切にしたのですね。この温かい気持ちを持ち続けてください。

逆に、とても残念なことに電車内で乗客の方にご迷惑をおかけしたこともありましたので、その事についても共に考えたいと思います。昔あったことをお話します。
電車の中で、清泉の児童が背負っているランドセルが乗客の方に強く当たってしまい、その方が手に持っていたものを落としてしまいました。その方は「痛い」とおっしゃったようですが、その時の清泉生は、大事な言葉がとっさに出ませんでした。何と言えばよかったでしょう。『清泉の子ども』で大切にしている言葉「どうぞ、ありがとう、ごめんなさい」の「ごめんなさい」ですね。「ごめんなさい」が、相手の方に伝わらないと、相手の方も嫌な思いを持ったままその後も過ごすことになります。皆さんも急にぶつけられて痛かったら悲しい気持ちになる事でしょう。その場ですぐに「ごめんなさい。大丈夫ですか。」と声をかけることが出来たら、相手の方も心が和らぎます。わざとでなくてもうっかり失敗してしまったら、すぐに「ごめんなさい」と言え、申し訳ないという気持ちを伝えることが出来るようにしましょう。


さて今年度は、清泉で大切にしている10の価値の中の「生命」について考えています。前回はマザーテレサのお話でした。今回は、マキシミリアノ・マリア・コルベ神父様のお話をします。皆さんはコルベ神父様を知っていますか。

今から44年前、日本に初めて教皇様がいらっしゃいました。1981年2月26日、長崎では珍しい大雪の中、教皇ヨハネ・パウロ2世が来日されたのです。忙しい日程の中、長崎の本河内にある聖母の騎士修道院を訪ね、長い時間そこで祈られました。実は、コルベ神父様と同じポーランド人の教皇様は、この修道院を訪ねることが以前からの特別な望みだったのです。
「キリストが示された愛の姿をそのまま実行されたコルベ神父様を見習うために、この修道院を訪ねました。」
と教皇様はお話しされました。キリストが示された愛をそのまま実行したコルベ神父様はどんな方なのでしょうか。「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない(ヨハネによる福音書15章13節)」という聖書の言葉をコルベ神父様はこの世で生きてみせたのです。まさにご自分の生命を他者のためにささげたのでした。

コルベ神父様は1894年、ポーランドで生まれました。13歳の時フランシスコ修道会の神学校に入ります。その後23歳の時に、神学・哲学を共に学んだ仲間と共に、聖母の騎士修道会を設立。35歳の時にキリストの教えを広めるため、日本へ行くことを望まれ、36歳で長崎に上陸します。お金もない、日本語も知らない、日本に知人もいない上陸でした。「何もないですが、神さまが与えてくださると思います。」と神さまにゆだねながら、早速大浦天主堂の下に仮の修道院をつくり、布教のために「聖母の騎士」の冊子を創刊します。貧しく厳しい生活でしたが精力的に働かれました。その翌年には、長崎の彦山の中腹、本河内に聖母の騎士修道院を開きました。6年間の日本での生活でしたが、結核を長年患っていたのでしじゅう熱を出しながらの日々でした。長崎で被爆され「長崎の鐘」や「この子を残して」を書かれた永井隆博士もコルベ神父様の診察をしていたそうです。「この重い肺病をもちながら、世界中を走り回って聖母の騎士運動を長い年月続けているとは・・・」と永井博士はびっくりされました。そんな永井博士にコルベ神父様はロザリオを差し出して「これですよ、これ。」と嬉しそうにマリア様とともにおられることを告げたのだそうです。それほど自分の生命をキリスト教の布教に捧げたのでした。私は、コルベ神父様と永井博士の繋がりに驚きました。お二人は共にその後戦争の大きな犠牲者となるからです。

長崎の本河内にある修道院には、コルベ記念館があります。機会があったらぜひ訪ねてみてください。
6年後日本を後にし、コルベ神父様は帰国されました。その後第二次世界大戦中、ナチスは、コルベ神父様の話すカトリックの教えとナチスへの思想は、相反するとしてブラックリストに載せ、ついにコルベ神父様は捕らえられます。ワルシャワの収容所、そしてアウシュビッツの強制収容所へと送られてしまうのです。コルベ神父様はどんな最期を迎えられたのか、それは次にお話をいたします。

5年総合学習『かこさとし』さんについて鈴木万里さんよりご講演をいただきました

10月29日(水)、絵本作家のかこさとしさんのご長女で、加古総合研究所の鈴木万里さんが、平和学習を深める5年ベトレヘム組の子ども達に、かこさとしさんについてお話しするために学校にいらしてくださいました。

5Bの子ども達がかこさとしさんについて学びを深めることを強く願うようになったのは、『くらげのパポちゃん』(講談社)に出あったことでした。

この日はまず講堂で、どんな出来事がかこさんの人生や作品に影響を与えたのか、また絵本作家としてどんな思いで作品を作っていらしたのかなどを、ご家族としての視点なども交えながらくわしくお話しして下さいました。

また、絵本『秋』(講談社)の朗読もして下さいました。
かこさんは秋が一番好きな季節だったのに、太平洋戦争中だった18歳の秋の時のできごと(透きとおった秋晴れの空に墜落する戦闘機、開かなかった落下傘、お世話になった医者の先生の戦死の報せ…)によって、秋を嫌いになってしまわれたそうです。


絵本『秋』のテーマは、かこさんが終生憎んでいた「戦争」です。戦争の悲惨さに怒り震えるかこさんが、それをいつまでも忘れないように、そして子どもたちに伝えたいと描かれた作品です。

講堂では5Bの児童だけでなく、他の学年の児童も共にお話を聴くことが出来ました。講堂に集まった児童、教職員、保護者へ向けて情感を込め、一語一語丁寧に『秋』を読んで下さいました。平和を願う、かこさんの強い思いがしっかりと伝わってきました。

講堂でお話をうかがったあとは、5Bの子ども達が心を込めて準備をしてきた“鈴木万里さんをお迎えする会”を教室で開きました。だるまちゃんやからすの家族など、子どもたちが大好きなキャラクターが溢れる教室で、「くらげのパポちゃん」、「からすのパンやさん」、そしてかこさとしさんにについてなどの質問に丁寧に答えてくださいました。

そして最後に、聖ラファエラ・マリア様の歌『麦の賛歌』を歌って、お別れしました。




この日の様子を、かこさとし公式サイトにもアップしてくださっておりますので、どうぞご覧ください。

編集室より | かこさとし 公式webサイト

引き続き、かこさんの作品をみんなで読み深めていきたいと思います。子どもたちにとって、一生忘れることのできない大切な時間となりました。
本当にありがとうございました。

1年生 総合学習

 1年B組では、「土」をテーマにした総合学習を進めています。

 1学期には自然教室の田んぼで採取した土と七輪を使い、自分たちの手でお皿づくりに挑戦しました。そして今回は、北鎌倉の陶芸作家・河村喜史先生と奥様の加代子先生をお招きし、本格的な陶芸体験を行いました。

 四角い土の塊が、子どもたちの手のぬくもりと発想によって少しずつ形を変えていく――その過程はまさに“創る喜び”そのものです。完成した作品は、北鎌倉にある河村先生の「其中窯」で焼き上げていただく予定です。

 また、子どもたちの間では「どろだんごづくり」への熱も続いています。水を加え、砂をかけ、何度も磨き上げるうちに、つるつるに光る“マイどろだんご”。手の中で生まれる小さな輝きに、子どもたちは誇らしげな笑顔を見せてくれます。

 “土”を通して、素材の変化や手仕事の面白さ、そして自分の手で何かを生み出す喜びを学ぶ——そんな時間が、子どもたちの心を豊かに育てています。

 

 1年N組の子どもたちが、1学期から心をこめて育ててきたダイズは、いよいよ収穫の時期を迎えました。根っこから丁寧に抜いたダイズを干し、からからに乾いた莢を一つひとつ摘み取っていきます。そして、中から顔を出す豆を集めていく作業は数が多く、なかなか根気のいるものでしたが、子どもたちは協力し合いながら最後までやり遂げました。

 たくさんのダイズが収穫できましたが、しっかりと実をつけていたのは半分ほど。夏休み中、おいしそうな豆を狙ってカメムシが集まっていたのです。自然の中で育つ作物のたくましさと、思い通りにいかない現実——その両方を感じながら、子どもたちは「お恵みのありがたさ」を学びました。

 収穫したダイズをどう使うか話し合った結果、ゆで大豆にして合宿のカレーに入れることに決定。B組のみんなにもふるまい、笑顔いっぱいの「おいしい時間」となりました。

 次は、お味噌づくりに挑戦します。土から芽が出て、花が咲き、実を結び、食卓にのぼるまで——いのちのつながりを感じながら学ぶ、1年生の総合学習はまだまだ続きます。

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