清泉小だより

2025年

5年総合学習『かこさとし』さんについて鈴木万里さんよりご講演をいただきました

10月29日(水)、絵本作家のかこさとしさんのご長女で、加古総合研究所の鈴木万里さんが、平和学習を深める5年ベトレヘム組の子ども達に、かこさとしさんについてお話しするために学校にいらしてくださいました。

5Bの子ども達がかこさとしさんについて学びを深めることを強く願うようになったのは、『くらげのパポちゃん』(講談社)に出あったことでした。

この日はまず講堂で、どんな出来事がかこさんの人生や作品に影響を与えたのか、また絵本作家としてどんな思いで作品を作っていらしたのかなどを、ご家族としての視点なども交えながらくわしくお話しして下さいました。

また、絵本『秋』(講談社)の朗読もして下さいました。
かこさんは秋が一番好きな季節だったのに、太平洋戦争中だった18歳の秋の時のできごと(透きとおった秋晴れの空に墜落する戦闘機、開かなかった落下傘、お世話になった医者の先生の戦死の報せ…)によって、秋を嫌いになってしまわれたそうです。


絵本『秋』のテーマは、かこさんが終生憎んでいた「戦争」です。戦争の悲惨さに怒り震えるかこさんが、それをいつまでも忘れないように、そして子どもたちに伝えたいと描かれた作品です。

講堂では5Bの児童だけでなく、他の学年の児童も共にお話を聴くことが出来ました。講堂に集まった児童、教職員、保護者へ向けて情感を込め、一語一語丁寧に『秋』を読んで下さいました。平和を願う、かこさんの強い思いがしっかりと伝わってきました。

講堂でお話をうかがったあとは、5Bの子ども達が心を込めて準備をしてきた“鈴木万里さんをお迎えする会”を教室で開きました。だるまちゃんやからすの家族など、子どもたちが大好きなキャラクターが溢れる教室で、「くらげのパポちゃん」、「からすのパンやさん」、そしてかこさとしさんにについてなどの質問に丁寧に答えてくださいました。

そして最後に、聖ラファエラ・マリア様の歌『麦の賛歌』を歌って、お別れしました。




この日の様子を、かこさとし公式サイトにもアップしてくださっておりますので、どうぞご覧ください。

編集室より | かこさとし 公式webサイト

引き続き、かこさんの作品をみんなで読み深めていきたいと思います。子どもたちにとって、一生忘れることのできない大切な時間となりました。
本当にありがとうございました。

1年生 総合学習

 1年B組では、「土」をテーマにした総合学習を進めています。

 1学期には自然教室の田んぼで採取した土と七輪を使い、自分たちの手でお皿づくりに挑戦しました。そして今回は、北鎌倉の陶芸作家・河村喜史先生と奥様の加代子先生をお招きし、本格的な陶芸体験を行いました。

 四角い土の塊が、子どもたちの手のぬくもりと発想によって少しずつ形を変えていく――その過程はまさに“創る喜び”そのものです。完成した作品は、北鎌倉にある河村先生の「其中窯」で焼き上げていただく予定です。

 また、子どもたちの間では「どろだんごづくり」への熱も続いています。水を加え、砂をかけ、何度も磨き上げるうちに、つるつるに光る“マイどろだんご”。手の中で生まれる小さな輝きに、子どもたちは誇らしげな笑顔を見せてくれます。

 “土”を通して、素材の変化や手仕事の面白さ、そして自分の手で何かを生み出す喜びを学ぶ——そんな時間が、子どもたちの心を豊かに育てています。

 

 1年N組の子どもたちが、1学期から心をこめて育ててきたダイズは、いよいよ収穫の時期を迎えました。根っこから丁寧に抜いたダイズを干し、からからに乾いた莢を一つひとつ摘み取っていきます。そして、中から顔を出す豆を集めていく作業は数が多く、なかなか根気のいるものでしたが、子どもたちは協力し合いながら最後までやり遂げました。

 たくさんのダイズが収穫できましたが、しっかりと実をつけていたのは半分ほど。夏休み中、おいしそうな豆を狙ってカメムシが集まっていたのです。自然の中で育つ作物のたくましさと、思い通りにいかない現実——その両方を感じながら、子どもたちは「お恵みのありがたさ」を学びました。

 収穫したダイズをどう使うか話し合った結果、ゆで大豆にして合宿のカレーに入れることに決定。B組のみんなにもふるまい、笑顔いっぱいの「おいしい時間」となりました。

 次は、お味噌づくりに挑戦します。土から芽が出て、花が咲き、実を結び、食卓にのぼるまで——いのちのつながりを感じながら学ぶ、1年生の総合学習はまだまだ続きます。

美術の授業の様子

 9月から10月にかけてポーリングアートで二作品を作りました。

 一つはキャンバスボードに三色のアクリル絵の具を垂らして作品を作りました。こんな感じになったらいいなと想像をしながら絵の具を混ぜ、垂らし乾かしましたが、液体糊とうまく混ざらなかったり、ダマが残ってしまったりでなかなか難しい作業だったようです。乾かす時にも斜めに傾いてしまい絵の具が流れてしまったという人もいました。子ども達は出来上がった作品を見て、「絵の具がうまく混ざらなくてダマになってしまったところがあったけれど、それも味わいとなって気に入った作品になった。」「僕がまるで海の中にいるような絵画になりました。青から淡い青をグラデーションにしたことがポイントです。」「乾かす時に斜めになっていたのかわかりませんが、それがかえって海っぽくて好きな作品になりました。」とそれぞれ作品作りを楽しみ、出来上がった自分だけの作品に満足する様子があちこちで見られました。

 もう一つは、ロザリオ作りです。まず、ポーリングアート用に作った絵の具に1人一粒の発泡スチロール球をくぐらせ乾燥させました。その一粒をロザリオの珠に見立ててつなげていきます。細いテグスに珠と小さなウッドビーズを丁寧に通していきます。

 81期のみんなのロザリオはどんなふうになるかな、美術の授業中、静かにそして穏やかな雰囲気でこの作業が続きました。

 カトリック教会では10月をロザリオの月と呼びます。

 81期一人ひとりの心のこもった珠を、順番につないで大きな大きなロザリオが完成しました。ロザリオの月、小さな祈りの珠がつながって、心のこもった深い祈りになっていったら、と思います。

男子保護者会の様子をご紹介します

10月28日、男子保護者会が本校講堂で開催されました。大変有意義な時間となりました。

まず、「カトリック校で学ぶことの良さ」と題して、学校法人上智学院(上智大学、栄光学園、六甲学院、広島学院、上智福岡)中等教育担当理事の望月伸一郎先生の講演がありました。

「カトリック学校は、創立の時から想いがあり、神が中心の学校。どんな生徒も伸びようとする力をもっている。教育に必要なことは教え込むことではなく、伸びようとする生徒を信じその力を決して妨げないこと。神様から愛されたものとして、他の人と比べない。一人ひとりに素晴らしいものがあるから、その神から与えられたものを最大限に伸ばし育てる。また生涯を通してこの成長を続ける意欲と、伸ばされた才能を他者のために使うモチベーションを育てる。」

イエズス会学校の栄光学園で長年に渡り関わられた先生からのお言葉は、深く沁み通るものばかりでした。教員としても、多くを学ばせていただきました。

次に、同じくカトリック学校の静岡聖光学院入試広報部長、平本直之先生より学校紹介をしていただきました。
静岡の自然豊かな地で、温かい雰囲気の中、伸び伸び学校生活を送る生徒の皆さんの姿が大変印象的でした。

最後に、放課後支援学習でお世話になっています日能研プラネット(株)アトラス 星野貴之様から「私立・公立一貫中学校の歩き方」と題して、中学校を見学する際のチェックポイントを教えていただきました。

秋の集い(運動会)

 10月18日の土曜日に三浦自然教室で秋の集い(運動会)が行われました。

 午前中は蝉の鳴き声が聞こえるほどに気温が上がりましたが、お昼過ぎからは秋らしい爽やかな風が吹く気持ちの良い1日でした。

 今年度はクラス対抗ではなく、クラス内を赤と青に分けた2色対抗での実施です。

 かけっこやリレーなどの定番競技、借りもの競走やミッションカードなどの珍しい競技、今年も見所沢山の熱戦ばかりでした。

 閉会式では得点発表があります。これまで3クラス対抗でしたが、赤と青の2色対抗となったことで、児童だけではなく、教員も保護者もどんな結果になるか、そわそわとしていました。

 その結果は・・・何と同点優勝!

 緊張から解き放たれた赤と青の児童が共に喜んでいる様子には、お互いを思いやる気持ちが溢れており、清泉ファミリーの絆がより一層深まった時間となりました。

 全力を尽くすからこそ得られる経験を、これからの学校生活でも多く得ていってほしいと願っています。

火災避難・不審者対応訓練

 先週、火災避難訓練と不審者対応訓練がありました。1学期に行った地震・津波避難訓練に引き続き、「訓練のための訓練にならないように」をテーマに、今回は授業中ではなく休み時間に火災が発生という設定で行いました。※先生方にも「いつ」かは伝えませんでした。

 休み時間のため、体育館や屋上、庭に遊びに出ていた子どもたちでしたが、先生の指示や放送をよく聴いて、「おかしもち」(おさない・かけない・しゃべらない・もどらない・ちかづかない)を守り、落ち着いて校庭まで避難することができていました。

 避難後は、地震の場合は揺れが収まったらドアを開けた状態にすること、火災の場合はドアや窓を閉め、排煙窓開けることや、避難の際は煙を吸わないために、ハンカチを口に当て姿勢を低くすることなどを確認しました。消火器のデモンストレーションも行いました。

 その後、不審者役を元警察官のスクールサポーターの方にお願いし、対応訓練も行いました。子どもたちと担任は、不審者を刺激しないように沈黙・早歩きで教室へ移動、教室の鍵を閉め電気を消し、机でバリケードを作り、窓から姿が見えないように死角に隠れる、副担任の男性の先生は不審者の初期対応や“さすまた”を取りに走る、女性の先生は校舎の戸締りをし、不審者の動向を確認するなど、子どもたちも教員も緊張感を持って訓練を行うことができました。

 訓練の様子をチェックしていただいたスクールサポーターの方から、「今まで見てきた訓練の中で、清泉小学校の子どもたちが一番静かに落ち着いて避難出来ていて、素晴らしかったです。」と褒めていただきました。

 今回の訓練で出てきた反省点を子どもたちにフィードバックし、万が一実際に災害が起きたり不審者が現れたりした時に、しっかりと訓練通りに動けるように、そして「自分の命は自分で守る」行動が取れるよう、加盟している日本赤十字社にもご指導いただきながら、今後も防災教育に力を入れてまいります。

理科の授業の様子

今回は3年生と4年生の授業の様子をお届けいたします。

3年生は「動物のすみか」という単元です。

秋分の日も過ぎ、秋を感じるようになってきました。学校の森、校庭の周りの草むらを歩くと、「リリリリ・・・」と虫の鳴き声が聞こえてきます。

今回は、子どもたちにあみとかごを持たせて、秋の生き物を探してもらいました。

鳴き声をたよりに草むらを探すと周囲に隠れるエンマコオロギを捕まえることができました。生き物を通して季節の移り変わりを感じることで、動物とすみかの関わりを深く学ぶことができます。

 

4年生は「雨水のゆくえ」という単元です。

地上に降った雨水はどうなるでしょうか。地面にしみこんでいくこともあれば、川のように流れることもあります。水たまりができることもありますが、いつの間にか無くなっていますね。実験を通して、そうした仕組みを一つずつ確かめていきます。

今回は、水がしみこまないようにラップを用意し、水平器で傾きを見てから水を流してみました。ちょっとした傾きでも、雨水は高い所から低い所に流れていくということが分かります。また、こうした傾きが身近な所だと、道路の脇や、駅のホームにも活用されていることを共有して理解を深めることができました。

鎌倉の魅力発信!

 3年生は鎌倉調べという総合学習を1年間通して行います。1学期には、源頼朝のお墓や源氏山公園、鶴岡八幡宮、円応寺、建長寺、高徳院など沢山の場所を見学したり、出土品を見たりしてきました。

 この度、その時の活動をスケッチにしたものを江ノ島電鉄株式会社の由比ガ浜駅ホームに掲示していただけることになりました。掲出期間は10/7(火)から11/15(土)頃までです。

 スケッチにはタイトルも添えていますので、見ていただけた方々に鎌倉への興味をさらに持ってもらえたら嬉しく思います。お近くにお立ち寄りの際には是非ご覧ください。

校長だより~いのちを守ることは、温かい愛で包むこと~

2学期も引き続き、清泉10の価値“生命”について皆さんと考えていきたいと思います。

今日は、いのちについて強い想いを持ち、他者に愛をもって実践されたマザー・テレサを通して考えてみましょう。皆さんはマザー・テレサを知っていますか。

マザー・テレサは1910年、日本では明治時代の終わりのころ、現在の北マケドニア共和国で生まれました。ご両親はカトリック教徒で、マザー・テレサも生まれてすぐに洗礼を受けました。一家は裕福でしたが、お父様もお母様も貧しい人への助けを積極的にしていたそうです。18歳の時に、アイルランドのロレット修道会に入りました。その後、インドのカルカッタ(現コルカタ)に派遣され、ヨーロッパ系の上流階級の子ども達が多く通っているカトリック女子校で、地理や歴史を教え始めます。インドのカルカッタ(現コルカタ)の修道院の頑丈な塀の外には、みすぼらしい小屋に住んでいる貧しい人々がたくさん生活していましたので、その姿を見ていたマザー・テレサは常に心を痛めていました。イエスさまの言葉「あなたがたによく言っておく。わたしの最も小さな兄弟姉妹の一人にしてくれたことは、わたしにしてくれたことである」(マタイ25章40節)がいつもマザー・テレサの心に語りかけていたそうです。

36歳のある夜、汽車の中で『すべてを捨て、最も貧しい人の間で働くように』という神様からの呼びかけを感じ、ロレット修道会をやめて、カルカッタ(現コルカタ)の貧しい人々の中に入って活動を始めます。マザー・テレサが学校で教えていた人たちも加わって、2年後「神の愛の宣教者会」を設立しました。その修道会の目的は、「飢えた人、裸の人、家のない人、体が不自由の人、必要とされることがないすべての人、愛されていない人、誰からも世話をされない人のために働く。」ことでした。

生まれたばかりの捨てられた赤ちゃんを育てることから始め、粗末なサリーをまとい、家のない子どもたちを集めて無料で授業も行いました。「何をするかと決める計画などはありませんでした。苦しんでいる人々が私たちを必要としている、と感じた時、それを対処したにすぎません。神様はいつも何をするべきかを教えてくださいました。」と謙虚な言葉を残されています。貧しい人々の中にイエスさまがおられる、その方々を愛し、その方々に仕えること。そしてその方法は神様に委ねていました。

ある日、道で死にかけている人を見つけ、その人の苦しみをやわらげ、人間らしく死なせてやりたいと連れて帰りベッドに寝かせます。「死を待つ人の家」をつくることにしました。そこに連れてこられた人は、マザー・テレサから「あなたを決して一人にしません。あなたは私たちと同じように望まれて生まれてきた大切な人なのですよ。」と言葉をかけられました。ある時、一人のホームレスを連れてきたとき、その人は「今まで路上で動物のように暮らしていました。しかし今、私は、天使のような死を迎えようとしています。私は微笑みながら死ぬことができます。」と言いました。そのあとその方は亡くなられましたが、マザー・テレサの優しい眼差し、温かい手のぬくもりは、どれだけその人の心を救ったことでしょう。マザー・テレサは一人ひとりの中にいるイエスさまを感じていました。その方のいのちは神様からいただいたかけがえのない大事ないのち、そのいのちが誰にもお世話されず、無視され、一人ぼっちで道に倒れて亡くなりそうになっている、そのような方を受け入れたのでした。いのちを大事にし、どんな人をも愛することを、最も貧しい人々の中で実践されたのです。

マザー・テレサは日本にいらしたことがあります。マザーの話を聞いて感動した学生が「自分もインドに行ってマザーのお手伝いをしたい。」と言った時のマザー・テレサの言葉を紹介します。

「日本の中にも日本のカルカッタがあると思います。そのような気持ちのある方は日本のカルカッタで働いてください。」

マザー・テレサのおっしゃった、「日本のカルカッタ」とは何でしょう。自分の近くにカルカッタはありませんか。それを考えること、それに気づくことが大事だと思います。いのちを守ることは、温かい愛で包むことです。私たちにできることを自分の周りから実行していきましょう。

最後にマザー・テレサの言葉をご紹介します。

「私が思うのに、一番大きな苦しみは一人ぼっちで、誰からも必要とされず、愛されていない人の苦しみです。」

それぞれが がんばったバザー

土曜日に行われた清泉ファミリーバザーは、多くの方のお力添えのおかげで、本当にすばらしい 1 日になりました。1年生は初めてのバザーでしたが、いかがでしたか。2年生以上はお仕事をよくがんばりました。お客様を笑顔でお迎えし、しっかり声かけができていました。立派でした。



 

皆さんの先輩方のパワーも素晴らしかったです。先生達が出していたコーナーでは、69期生と 72 期生の卒業生がお店を支えてくださいました。「とても楽しかった。またお手伝いをしたいです。」とおっしゃっていました。

70期の卒業生は、全国の福祉施設から集めたお菓子を販売するお店を出していましたが、その方達からはこんなメッセージをいただきました。「子どもたちが、お父さんにコーヒーをあげたいと、少し高めのコーヒーを手に取って買ったり、おうちの方にプレゼントしたいと購入したりしてくれました。清泉小学校の温かさに感動しました。次回は福祉の説明や、お菓子を作っている様子の写真も用意したいと思います。素敵な機会をありがとうございました。」

卒業生の皆さまに感謝です。

さて今日はこの後、青少年赤十字のリーダーシップ・トレーニング・センターで夏休みに行われた研修に参加した5・6年生がその研修の報告をしてくれます。

皆さんは1学期にこの講堂で、災害時にどのように行動したらよいかというお話を聞いたことを覚えていますか。その時お話をして下さったのが、青少年赤十字の方々です。

青少年赤十字は、赤十字の精神に基づいた世界的な組織です。世界の平和と人類の福祉に貢献できるように、日常生活の中で実践活動を通じて、いのちと健康を大切にし、地域社会や世界のために奉仕し、世界の人々との友好親善の精神を育成することを目的として、さまざまな活動をしています。

清泉小学校は、青少年赤十字の一員となっています。

 

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