清泉小学校では、知識の量を学力とは考えていません、子ども達が目の前の事象に対して、我がこととして取り組む心構えや、それを処理し解決しまとめ上げていく力が、真の学力だと考えています。
清泉小学校では、昭和57年(1982年)度より「総合学習」を取り入れています。子どもの生活が最も充実し高まるときは、子どもが生き生きと目を輝かせ、自らの発想に基づいて、主体的に物事に関わっている時です。子どもは、本来、活動的であり、自然に接することを好み、何事に対しても興味をもち、物事を鋭く見抜くものです。
従来の学習方法では、とかく教師が学習内容を一方的に子どもに注入し、子どもは、教師から与えられた学習内容を、消化し、吸収することに追われていました。
それでは、与えられた知識をどれだけ吸収できるかという、習得した知識の量が大きな鍵となり、知識イコール学力と考えられていました。子どもたち自らが主体的に「する」ことよりも、教師に「させられる」ことが多かったのです。清泉小学校で実施している「総合学習」は、この関係を180度転換した考えのもとに行われています。
学習内容より子どもの意欲を引き出し、教師の論理より子どもの論理を重視し、子ども達自らの意欲で進路を見つけ、全身全霊で打ちこんでいく、それこそが「総合学習」の大きな願いなのです。
技術の進歩と便利さが加速している反面、様々なことが予測困難な時代へとなっています。そのような時代に生きていくための基礎となるものは何かと考えると、それは、たくさんの知識をもつことより、知識を活用して考え、よりよいものを求めていく、生きる力というものでしょう。
国語 × 算数 × 生活 × 社会 × 美術=いずみ
1~3年生までは、専科教員による授業(体育・音楽・英語・宗教など)以外はすべて「いずみ」として時間割が組まれています。この「いずみ」は、子どもの生活、気持ちを尊重し、子どもの意識によって学習が展開するため、教科の枠にとらわれることなく、自由に時間を使い、弾力的に対応できるようにするための時間です。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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1 | いずみ | いずみ | いずみ | いずみ | 読書 |
2 | いずみ | いずみ | 読書 | いずみ | いずみ |
3 | いずみ | 体育 | 音楽 | いずみ | 音楽 |
4 | いずみ | いずみ | 体育 | 宗教 | いずみ |
5 | 英語 | いずみ | いずみ | いずみ | いずみ |
6 | − | − | − | − | 英語 |
子ども達は本来学びたい、知りたい、何故だろうと考える主体的な学習者です。この子ども達の知的好奇心が学びの中心(テーマ)となり学習が始まります。まずは、テーマ決めの話し合いをするため、自分が良いと思ったことについて調べたり実際に話を聞きに行ったりするなどしてまとめたものを、皆の前でプレゼンテーションし全員が納得するまで話し合います。テーマが決まったら、そのテーマに沿って総合学習は進みます。例えば、「生き物」がテーマになった場合、それだけでは、生き物はやってきません。どこにお願いすればその生き物を学校にお迎えすることができるのか、実際にお迎えする際はどのようにお世話をすれば良いのか、先生が答えをもっているわけではありませんので、子ども達が主体となってこの問題を解決していきます。困ったときに教師や大人が何とかしてくれるのではなく、自分たちの力で解決していくことは、生きる力に直結します。総合学習では、時に予想もできない課題に子ども達は次々と直面します。そこを子ども達自身で考え解決していくのが、清泉小学校の総合学習です。
清泉小学校は鎌倉幕府の跡地に建っています。
3年生では、その立地を活かし、「鎌倉博士になろう」を合言葉に1年間をかけて鎌倉について学びます。校庭から発掘された出土品に触れたり、学校近隣の寺社仏閣や切通し等を訪ねたり、現在の鎌倉を知るためにお店調べをしたりします。五感全てを使って鎌倉時代に生きた人々に思いを馳せ、これからの鎌倉を考える学びです。
4年生からは、学校行事の企画・運営を任されることで力を伸ばしていきます。また、6年生になると「清泉なかよしグループ」という縦割り活動のリーダーも務めます。低学年の総合学習で培った「自ら学び・考える力」を使って仲間とともに、企画、実行していきます。また、身近な問題を考える活動もしています。例えばSDGsを自分の問題として捉え、解決の糸口を探りプレゼンテーションする会を行うこともあります。